「杏!」 朝、教室に来た杏に 一番乗りで話しかけた。 杏はあたしを見ると、 眉間にシワを寄せた。 “何で来るのよ”って言ってるような 目をしていた。 「メール…見た?」 「……」 「あたし、待ってるから」 「……ウザ」 「…っ!…来るまで待ってるからね」 今の杏にひるんじゃいけない。 あたしは… 立ち向かわなくちゃいけないんだ。 自分で蒔いた種なんだから…。 あたしは杏が来てくれるって 信じてるからね。