「そんな焦ってどーした?」 杏が、いない。 そう言いたいのに、 息が上がっていてまともに 話せそうもない。 「……っあ、んが…っ」 はやく、はやく 杏を探しに行かなきゃ……っ 杏があたしのこと 嫌いになっちゃったら もう、遅いの。 杏に話さなきゃいけないこと たくさんあるの。 誤解だって説明しなくちゃいけないの! そう考えれば考えるほど あたしの息は上がる。