先生の笑い声に気づいたのか 陸がこっちを向いた。 陸…、りく…。 あたし、震えてる…? 「は?今なにしたんスか先生」 「何、気になっちゃう?」 「陽菜子、震えてんだろ。 何したんだよ」 陸はあたしに近づいて あたしの背中をさすってくれた。 落ち着く。 はやく、抱きしめてほしい。 何されたかなんていいから…。 お願い、はやく、抱きしめて…。 「何したんスか」 「フツーに握手かな〜」 先生はそう言いながら あたしに『だよねー?』なんて 微笑みかける。