急に体を90度回転させられたかと思えば ふわっと陸の香りに包まれて。 ……え? カシャッて音と同時に あたしの唇に暖かいものが触れた。 それは、一瞬だったけど…。 ラクガキの場所を 指示されているのにも気づかず あたしは放心状態…。 あれは……。 キス、された……の? 「ボーっとすんなよ 次のヤツに迷惑だろ」 そう言い捨てると、 陸は自分とあたしのカバンを持って あたしの背中を押した。