「太一」
足を止めて振り向くと、太一がイカ焼きを口に加えながら左手を上げていた。
「彼女はどうしたの?」
まさか、一人で来たとかあほなことはないだろう。
「唯織こそ」
「わざと言ってんのかな?」
「おお、怖い怖い」
「ちょうど浮気現場を目撃したところよ」
「うわ、最悪。唯織、タイミング悪いな」
「どうとでも言って」
「まあ、俺も似たようなもんかな」
「は?」
「麻尋がさ」
太一がふっと笑った。
「最初は一緒にいたけど、同じクラスの男見つけたらそいつのとこに行っちゃって」
「堂々と浮気されたね」
「あいつ嫉妬魔だからさ、たまには俺にも嫉妬させたいんだって」
「ふうん」
「可愛いよなー」
そう言う太一はなんだか嬉しそうだ。
「喜んでんの?」
「まあ、他の男といていい気はしないけど。一途なんだよな」
なんか、惚気られた。
「俺ん家、来る?」
「え?」
「どうせもう帰るんだろ? ちょっと付き合ってよ」
「家、一人なの?」
「うん。あ、今日は指導なしね」
「別に、いいけど」
太一があたしの前を歩き出す。あたしは太一に続いた。
足を止めて振り向くと、太一がイカ焼きを口に加えながら左手を上げていた。
「彼女はどうしたの?」
まさか、一人で来たとかあほなことはないだろう。
「唯織こそ」
「わざと言ってんのかな?」
「おお、怖い怖い」
「ちょうど浮気現場を目撃したところよ」
「うわ、最悪。唯織、タイミング悪いな」
「どうとでも言って」
「まあ、俺も似たようなもんかな」
「は?」
「麻尋がさ」
太一がふっと笑った。
「最初は一緒にいたけど、同じクラスの男見つけたらそいつのとこに行っちゃって」
「堂々と浮気されたね」
「あいつ嫉妬魔だからさ、たまには俺にも嫉妬させたいんだって」
「ふうん」
「可愛いよなー」
そう言う太一はなんだか嬉しそうだ。
「喜んでんの?」
「まあ、他の男といていい気はしないけど。一途なんだよな」
なんか、惚気られた。
「俺ん家、来る?」
「え?」
「どうせもう帰るんだろ? ちょっと付き合ってよ」
「家、一人なの?」
「うん。あ、今日は指導なしね」
「別に、いいけど」
太一があたしの前を歩き出す。あたしは太一に続いた。

