「あれ、そういえば弘樹は?」
「部活終わってからずーっと部屋に引きこもってるらしいわよ。詩織が構っても反応ないって」
「おにーちゃん、つまんないー」
詩織がぶーと頬を膨らます。
「じゃあ、ねーちゃんとご飯まで遊ぶ?」
「あそぶー!」
「だめよ、唯織、あと五分でできあがるから。弘樹呼んできて」
「はいはい、詩織、一緒に呼びに行こうか」
「いくー!」
弘樹の部屋は二階の真ん中だ。
「詩織、弘樹は何してたの?」
「なにもー。なんかね、おふとんにくるまってうんうんいってたよー」
「何それ……」
あいつ、病んでるのか?
「弘樹ー、ご飯だから出てきなー」
部屋の扉を叩いて声をかける。しかし応答無し。
いつもならすぐ返事をして出てくるのに。
何度かやってみたけどやっぱり反応がない。
あたしは部屋の中に入った。
「弘樹?」
部屋の中は真っ暗だった。明かりをつけると、布団から黒い頭が出ていた。
「おにーちゃん、あさですよー」
詩織が布団の上に乗ってバシバシ叩く。
痛そう……。
「おにーちゃん、おきないとおにーちゃんのぶんまでしおりがたべちゃうよー」
「うっせえな、詩織……」
布団から出ている頭を動かして、布団から出た両腕で詩織を捕まえた。
「おにーちゃん、いいにおいー」
そこ、抱き締めるんだ……。
これがあたしだったら、足で蹴られて怒鳴られるに違いない。
「部活終わってからずーっと部屋に引きこもってるらしいわよ。詩織が構っても反応ないって」
「おにーちゃん、つまんないー」
詩織がぶーと頬を膨らます。
「じゃあ、ねーちゃんとご飯まで遊ぶ?」
「あそぶー!」
「だめよ、唯織、あと五分でできあがるから。弘樹呼んできて」
「はいはい、詩織、一緒に呼びに行こうか」
「いくー!」
弘樹の部屋は二階の真ん中だ。
「詩織、弘樹は何してたの?」
「なにもー。なんかね、おふとんにくるまってうんうんいってたよー」
「何それ……」
あいつ、病んでるのか?
「弘樹ー、ご飯だから出てきなー」
部屋の扉を叩いて声をかける。しかし応答無し。
いつもならすぐ返事をして出てくるのに。
何度かやってみたけどやっぱり反応がない。
あたしは部屋の中に入った。
「弘樹?」
部屋の中は真っ暗だった。明かりをつけると、布団から黒い頭が出ていた。
「おにーちゃん、あさですよー」
詩織が布団の上に乗ってバシバシ叩く。
痛そう……。
「おにーちゃん、おきないとおにーちゃんのぶんまでしおりがたべちゃうよー」
「うっせえな、詩織……」
布団から出ている頭を動かして、布団から出た両腕で詩織を捕まえた。
「おにーちゃん、いいにおいー」
そこ、抱き締めるんだ……。
これがあたしだったら、足で蹴られて怒鳴られるに違いない。

