顔をそっと上げる。

目の前には夢にまで見た土方さんが居た。

ああ、やっとやっと逢えたね。

「土方さん・・・・お久しぶりです。」

私は涙を流しながら微笑む。

「っ櫻!!!」

土方さんは私を勢いよく抱きしめる。

「ったくお前どこ行ってたんだよ!!」

痛いくらい抱きしめられてこれが現実だと実感する。

「少し旅をしてきたんですよ。」

そう、あなたとまた巡り合うための短いようで長い旅。

「ばかやろう。俺に許可とってからいきやがれ・・・」

「はい。すみません。」

「どれだけ探したと思ってやがるんだ・・・・」

「土方さん・・・」

そう言って私は土方さんは抱きしめ返す。

「お前、随分きれいになったな。」

そう言って優しく頭を撫でてくれる。

「土方さんこそまた一段とかっこよくなりましたね。」

「そんなわけねえだろ。」

そう言って土方さんは照れてそっぽを向く。

私はまたそっと土方さんを抱きしめる。

「もう、どこにも行かないでくださいね・・・・」

「お前がどこかいっちまったんだろうが。もう二度となにがあっても離さねえから覚悟しろよ?」

「はいっ!!」

流れる涙は喜びの証。

そっと拭うのはあなたのやさしい手。

「これからは本当にお前の涙を拭うのは俺の役目だからな?」

「っはい!!」