「神崎さーん!!新しい新作できましたか?」

向こうから私の担当の神山君が走ってくる。

「まーだよ♪」

「そろそろ〆切なので書いてくださいよ!!!」

「華の刻の続きよね?わかっているわよ。それと静香でいいわよ。」

そう言って私はゆるりと視線を桜に戻す。

「まったく・・・静香さんはマイペースなんだからなあ。あれ、そう言えば前は名前で呼ばないでって言ってませんでしたか?」

「言ってないけど?」

「あれえ、気のせいかな?」

そう言って不思議そうに首をかしげる。

「ふふっ。そうじゃない?じゃあ帰って書き始めようかな?」

「そういしてください!次は池田屋事件ですか?」

「んー池田屋事件もいいけど、その後の主人公がどうなったかを書くよ。」

「面白そうですね!!」

「当り前よ。」

どんな物語にも負けない素敵な恋。

あの二人のその後をつづろう。

そして、あの二人の恋を残していこう。

「時を超えても愛してる、か・・・・」

私は桜から視線を外す。

そして、櫻の恋の形を書くために私はまた歩き出す。







~fin~