「違うもん!第一、あたしあいつが嫌いだし!」 嫌いな奴が運命の相手のはずがない。 そうだよと自分を納得させる。 「雄大くんは理奈のこと好きだと思うんだけどなあ。」 すき…? あり得ないってば。 だってあいつにとってあたしは… 「もったいないよ。あんなかっこいい人。」 萌乃が頬づえをつきながら横目であいつを見る。 「もったいなくても、あたしは嫌いなんだから。」 鞄から教科書を出しながらそう静かに答えた。