私はそれには答えず、スカートのポケットから携帯を取り出し、それをカメラモードにして高木千尋に向けた。


「あ、あの……」


「黙って、ジッとしてて」


 液晶画面を見ながらボタンを圧すと、“ガシャン”だかなんだかの大きな音がした。


「な、何をしてるんですか?」


 高木千尋は驚いた様子でそう言い、シャッター音が聞こえたらしい周りの子達は、ジトーっという視線を私に向けていた。


「写メを撮っただけよ。人に見せたりしないから、変な心配はしなくていいわよ?」


「どうして……?」


「いいから、今度は横を向いてちょうだい?」


「でも……」


「早くしてよ。人が見てるでしょ?」