ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜

 ああ、そうだ。あるじゃない、修平がちいちゃんに夢中だっていう、明白な根拠が。


「ねえ、ちいちゃん。お昼休みだけど、修平はちいちゃんと付き合う前は、何してたか知ってる?」


 私は自信たっぷりにそう言った。この事実は、今やあのクラスどころか、校内中で話題になる程、有名な話なのだから。校内で有名というのは、沙織から聞いたんだけどね。


「うん、中庭でお友達とボールを蹴ってたんでしょ?」


「そうよ。正確にはリフ……何とかっていうらしいんだけど、それを止めさせちゃったんだから、ちいちゃんはすごいよ」


「そんな、大袈裟な……」


「大袈裟じゃないんだって。修平はずっと昔からあれをやってたんだよ? 初めてそれを止めさせた女が現れたって、学校中で話題になってるんだって」


「初めてって……?」


「そりゃあ、修平には過去に……」


 おっと、“過去にいっぱい彼女がいたのに”って言いそうになったけど、それは言わない方がいいわね。話が余計にこじれるから。