ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜

「逃げんのかよ? 逃げたら絶交だよ。いいの!?」


 恵美のその言葉に、理香と加奈はビクッとして足を止めた。


「あんた達、この高木のブスに腹立ててたでしょ? “和也様を振るなんて生意気だ”って。あの勢いはどうしたのさ?」


 ああ、それでちいちゃんを呼び出したのね。逆恨みもいいとこじゃない。


「だって、彩花も来るなんて思わなかったから……」


「彩花がなんだって言うのよ!」


 恵美が大声で一喝し、理香と加奈は「ひぇっ」と悲鳴を上げた。


「彩花なんか、もうあたしらの仲間じゃないよ。今やその女とつるんだ、ただのブスさ。構わないから、二人まとめて水をぶっ掛けてやりなよ。寝ぼけてるようだから、目を覚ましてやろうよ?」


 恵美は横に置いていた青いポリバケツを持ち上げた。重そうだから、中にはいっぱいの水が入っているのだろう。