「どうしたの、いきなり……?」


「香水の匂い、キツ過ぎる?」


「え? いやあ、それは……」


「どうなの?」


「あたしは平気だけど、キツイと言えばキツイかなあ、なんて……」


「なんで言ってくれないのよ!?」


 思わず恵美を怒鳴りつけてしまった。


「だって、そんな事言ったら彩花、怒るでしょ?」


 それはそうかもしれないけど、何か腑に落ちなかった。


「それよりさ、放課後の事なんだけど……」


「私、やっぱり行かない」


 放課後に小山修平とサテンかどこかへ行く事になっていたけど、もうそんな気分ではなかった。