ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜

 私は瞬間的に転ぶ事を覚悟し、地面に叩き付けられた惨めな自分の姿を想像した。でも、実際にはそうならなかった。


 木の手摺り……よりも少し柔らかい、硬質ゴムで出来た手摺り? そんなものが世の中にあるかどうかは知らないけど、そんなようなものに、私は両方の胸を押し付ける格好になり、転ぶのを免れていた。


 そして“そんなようなもの”が、中野君の腕だという事に、私は早くから気付いていた。


 それにしても、中野君の反射神経は大したものだ。しかも片腕で私を支えたのだから腕力もある。男の子は、こうでなくっちゃね。