ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜

 中野君が不意に私を見た。口には出さないものの、“なんであんたがいるんだよ?”と、その目は言っていた。と思う。


 私は、脇に置いた買い物袋を指差し、ジェスチャーで中野君に説明をした。すると中野君は、フッと笑ったので、何とか通じたんだと思う。たぶん。



 一時間ほどして、ようやく治療中のランプが消えた。固唾をのんで待っていると、バーンって感じで扉が大きく開き、手術服を着たお医者さんらしき人が出て来た。


 すかさずちいちゃんが駆け寄り、


「先生、母は……!?」


 と聞くと、お医者さんは沈痛な面持ちで説明を始めた。


「かなり出血が酷かったので、輸血をしました。頭を強打していて脳挫傷の疑いがありましたが……」


「…………!」