「姉ちゃん、今夜の飯は何?」


「ハンバーグよ」


「やったー!」


 琢己君の喜びようが可愛くて、つい頬を緩めていたら、


「食べ盛りの男の子が二人もいるから大変なの」


 と高木さんは言った。


「二人?」


「ええ。もう一人、卓(すぐる)という中1の弟がいるの」


「あ、そうなんだあ。私にはね、妹がいるのよ。高1で、実は同じ高校なの」


「わあ、羨ましい! 私も妹がほしかったなあ。可愛いでしょ?」


「ぜんぜん! 生意気なだけだよ」




 さよならを言って、並んで歩く高木さんと琢己君の後姿を見ながら、私はため息をついていた。高木さんと自分を、比較して……