「家までもう少しですから……」


「そう? でも、全然大丈夫よ?」


 と言ったものの、実は荷物を持つ手が悲鳴を上げていた。

 私より小柄な高木さんは、平気な顔で歩いてるのに、私ったら情けない!


「ねえ、高木さん?」


「はい?」


「今更な質問だけど、この買い物って“お母さんに頼まれた”レベルを遥かに超えてるよね?」


 私の聞き方が可笑しかったのか、高木さんはクスっと笑った。


「そうですね。母は夜まで働いてるので、買い物と夕飯は私の役目なんです」


「やっぱりね……って、高木さんが夕飯を作るの!?」