私に気付くと、恵美はハッとした顔をし、理香はギョッとした顔をした。


「あ、彩花。いま帰り?」


「そうよ。あんた達、どこか寄ってくの?」


「え? うん、急に話がまとまっちゃってさ……。彩花も行く?」


「ごめん。私は真っ直ぐ帰る。勉強しなくっちゃ」


『勉強!?』


「うそでしょ? 彩花が勉強だなんて……」


「あら、本当よ。高木さんを見習おうと思って。あんた達も遊んでばかりいないで、そろそろ受験勉強始めたら?」


「そ、そうだね」


「では、ご機嫌よう」



 私は唖然とする二人に背を向け、悠然と去って行った。内心は怒りでハラワタが煮え繰り返っていたけども。