「困ったね?」


「うん、困った」


 なになに? なんであんたらが困る?


「ああいうのがいないと、合コンし難いよね……」


 そういう事ね。だから恵美は、私の変身に賛成しなかったんだわ。


「アイツは見切ってさ、代わりを探そうか?」


「顔がいいだけが取り柄の“客寄せパンダ”を?」


「そうそう。例えば2組のさ……」


 もう隠れるのはやめようっと。これ以上は聞くに堪えないし、こいつらの本性は十分解ったから。


 私は柱の影から出て、二人に向かってズンズンと歩いて行った。