よく見れば、彼だけではありません。 彼よりもずっと背の高い者、恰幅の良い者、女性も。 1番街ではない他の区域を担当する警備員達が、こぞって1番街に押し寄せていたのです。 ここまで見せられては、通常事態と考えるほうが無理がありました。 「…何事ですか?」 警備員さんは息を整え、ハッキリと答えます。 「……人鬼だ。 配達員が殺された。 …真っ二つに喰いちぎられ、上半身だけが持ち去られた。」 「え……?」