男は呆然と、辺りに散らばって跡形もなく消えてしまった石の塔の残像を眺めて…、 「ウッ…うわああぁぁぁぁーー!!!!」 気が狂ったように、叫び泣いた。 少年はその姿を怯えた目で見る。 一体何がどうなっているのか。 自分はとんでもない場所にいるのではないか。 困惑する少年の白装束の袖を、誰かが控えめに引いた。