「さあ、そろそろお家に帰る時間ですよ。」 「うん。」 ヨシヤの差し出す小瓶に、今度は私のほうから唇を寄せた。 ピチョン、と垂らされた一滴の苦みが、また口いっぱいに薄く広がる。 好きになれそうな味じゃないけど、 ―――なんだかちょっと、慣れたかもしれない。 ほとほと私は順応性が高いらしい。 何てったって、こんな得体の知れないお兄さんとお鍋を囲んじゃうくらいなんだから。 なんだかおかしくって、思わず笑ってしまう私。 意識が飛んだのは、その直後……―――。