かすかに聞こえるふたりの会話。 奈南の友達のあの女は 涙声で途切れ途切れに話す。 話しの内容でわかった。 最初から少し 予想はついてはいた。 女が泣く理由なんて 考えてみればひとつしかない。 俺とは無縁の感情だった。 でも、人を、話しもまともにできないくらいに かなしくさせる失恋って 恋ってなんなんだ そう思ってはいた。