隣町の住所までは、自転車30分くらいだった。
坂の多い町なのに、その住所までは、不思議と平坦な道が続いていた。
「…――しかし……わかんない……」
紙に書いてある住所と、番地を交互に見るけど、なかなかたどり着けない。
住宅街だからか、どこを見ても同じように見えちゃって、さっきから同じところをグルグルしてる。
「迷子かも……」
この年で迷子って、かなりイタイよね…
私ってこんなに方向音痴だったかな?
わーん。もう泣きそう……
そんな私の肩を、誰かが叩いた。
「…――どうしました?」
振り返ると、上品そうなおばさんがニコニコと笑って立っていた。
「どうかしたの?」
「あ、えっと……ここに行きたくて……」
手に持った紙をおばさんに見せると、おばさんは優しい笑顔で頷いた。
「ここに行きたいの?じゃあ、一緒に行きましょう」
「ば、場所さえわかれば……」
「私もここへ行くところなの。だからね。」
そういうと、おばさんは先に歩き出した。
場所さえわかればよかったのに……
でも、おばさんもここに行くっていってたよね?
ここって、アパートの住所じゃないの?
ここに……何があるの?
坂の多い町なのに、その住所までは、不思議と平坦な道が続いていた。
「…――しかし……わかんない……」
紙に書いてある住所と、番地を交互に見るけど、なかなかたどり着けない。
住宅街だからか、どこを見ても同じように見えちゃって、さっきから同じところをグルグルしてる。
「迷子かも……」
この年で迷子って、かなりイタイよね…
私ってこんなに方向音痴だったかな?
わーん。もう泣きそう……
そんな私の肩を、誰かが叩いた。
「…――どうしました?」
振り返ると、上品そうなおばさんがニコニコと笑って立っていた。
「どうかしたの?」
「あ、えっと……ここに行きたくて……」
手に持った紙をおばさんに見せると、おばさんは優しい笑顔で頷いた。
「ここに行きたいの?じゃあ、一緒に行きましょう」
「ば、場所さえわかれば……」
「私もここへ行くところなの。だからね。」
そういうと、おばさんは先に歩き出した。
場所さえわかればよかったのに……
でも、おばさんもここに行くっていってたよね?
ここって、アパートの住所じゃないの?
ここに……何があるの?


