「朱里が好きだ……」

「…――私も…」

「--!!」


声のする方を振り向くと、白いワンピースが目に入る。

だけどその上に乗る顔は…


「…誰?」

「誰って!私!!」


背中まであった髪をバッサリと切った朱里だった。

あまりにもバッサリ切りすぎて、本当に誰だか分らなかった。


…というより…


「…聞いてた?」

「聞いちゃった…」

「…私も…って?」

「好き…」

「そう…」



…?好き…?

――!!好き?!

誰を?

僕を?

好き?


「えー!!」


朱里の顔がみるみる赤くなる。


「颯太が好き…」


それだけ言うと、洗面所に駈け込んで行った。