会社の人間じゃないってことは、ヤバイ系?


「…困ったなー……」


会社の人間ならどうにかなりそうだけど、ヤバイ系はどうにもできないし。

それより……


「話さなきゃまずいよなー…」


問題はどう朱里に切り出すか。

パニックになるし、また逃げ出すだろうし……

こればっかりは、話してみないとわからない。

とりあえず、ゴン太と歩きながら考えるかな。


僕たちはサラリーマンとは反対方向に歩き出した。






「なあ、ゴン太。どう思う?」

「………」


あー、無視ですか?

朱里じゃないからですか?

でも、男同士の散歩もなかなかいいもんだよ。

黙っててもさ、なんか通じるものがあるっていうか……


きっと、ゴン太なら黙って聞いてくれるんだろうな?


誰にも言えない、あの頃の事……


言えたら、楽になるのかな?


「…――まあ、そのうちだね」



って、僕の事より、朱里の事だよー!


確定って訳じゃないけど、見つかった可能性もないとも言えない。


それに……

あのサラリーマンが社長側だとすると、何で居場所がわかった?

この場所を知ってるのは、ほんの限られた人間だけなはず。


それを知ってるってことは……

知ってる誰かが、社長と繋がってる……

でも、誰が?


「あー!考えてもわかんない!」


とりあえずゴン太が満足するまで、散歩を続けよう。

結論は帰ってからだ!