いつも、廊下ですれ違う度に目に入る彼女。 笹原志乃。 と、恐らく友人であろう女。 最初はただ、よくすれ違うな、という程度だった。 しかし、だんだんどんな人なのか、と彼女のことを知りたくなっていた。 気付けばいつも目で追うようになり、これが彼女に対する恋愛感情だと自覚したのは、彼女に彼氏ができたあと。 別に、今更想いを伝えてフラれようと思うほど俺は馬鹿じゃない。 そう思って諦めていた。