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俺と瑞華、9歳。
柚歩、12歳。


これは俺と瑞華が小3だった頃の話。


そう……これは8月も中旬にさしかかった夏休みのこと。


「虎太ぁーっ!!遊ぼー!!」


部屋で1人でゲームをしていたとき、外から俺を呼ぶ甲高い声が響く。


……こんなことするのはアイツしかいない。


俺は窓を開けてソイツに向かって叫んだ。


「瑞華、俺今ゲームしてんの!!

しかもマジ暑いし!!」


「そんなこと言わないで早く降りてきてよー!!

今日はね、お兄ちゃんもいるんだよー!!」


瑞華から少し離れた日陰でスポーツドリンクを飲んでる柚歩。


「………仕方ないな。」


ゲームをセーブして階段を降りる。


なんだかんだ言って、いつも折れるのは他でもない俺であって。


友達が少なかった俺に、いつも声をかけてくれたのは瑞華だった。


玄関を開けて外に出ると、瑞華と柚歩が待ち構えていた。