同じように、ユウナの二股疑惑も他の友達に話す。
もちろん全部嘘。
『あたしも友達から聞いた話なんだけどね。』
こう最後に付け足せば完璧。
ほら、何も疑わずにもう広めてる……。
放課後になる頃には、学年全員が知ってるほど広がっていた。
もちろん彼とユウナも聞いてるから、付き合ってまだ初日のくせにもう気まずくなってるし。
みんなあたしの嘘に騙されてる。
裏門から帰ろうと、みんなとは反対方向に歩いていると、校舎裏で誰かが喧嘩していた。
こっそり覗いてみると、彼とユウナが言い合っていた。
『あたしの他に彼女がいるってどういうこと!?』
『はぁ!?知らねぇよ!!そう言うお前だって二股してんだろ!?』
『とぼけるの!?あたしだってそんなの知らないよ!!』
『お前だってとぼけてんだろーが!!』
『自分のこと棚に上げるつもり!?信じらんない!!別れるから!!』
『俺だってお前なんか願い下げだ!!』
そう言って別々のほうに歩いていく2人。


