「瑞華の好きな人って……凛咲だったんだな…。」


下を向いてポツリと呟いた虎太。


「……うん。でももう会えないから……意味ないよ。」


……とっくに分かってることなのに、自分で言うと涙が溢れそうなくらい悲しくなってきた。


「最初から友達にすらなれてなかったんだ……。

そんな紫苑があたしを好きになってくれるわけないでしょ…?」


あたしは力なく笑った。


「「「瑞華……。」」」


………やめて。


みんなにそんな顔されると、どうしていいか分かんなくなる……。


「……修学旅行の最後の最後でこんなしんみりさせちゃってごめん…。……ホテル戻ろっか!!」


みんなはまた顔を歪めた。


あぁ…、今あたしがムリに笑ってるって…、みんなは気付いてるんだろうな……。


みんな勘がいいから……。


太陽は昇り始めていて、あたし達は静かに朝を迎えた。