………ガチャッ


……俺が最も恐れていたことが起こった。


………終わったな、俺。


「……何やってるんだてめぇは!!」


親父が俺に殴りかかった。


違う……この女が悪いんだ。


言おうとしたけど、言えなかった。


言い訳にしか聞こえなくて、余計親父を怒らせるから。


さっきの体勢は、第三者から見れば、どう見ても俺が襲ってるようにしか見えないから。


「大丈夫かっ!?」


「グスッ…ヒック…紫苑が……紫苑がいきなり襲ってきてぇ…。」


「……っ…てめぇ…!!」


俺は床に座り込んだまま2人の会話を聞いていた。


俺は自嘲気味に笑った。














……なんで女はいつも自分に都合のいいように言うんだろう。