「ここが俺の部屋です。」



初めて俺から話しかけた。

なんて無愛想なやつだろう、と自分でも思う。




俺はドアを開けて、先に桜田……さんに入ってもらった。



「テキトーに座って下さい。」


「はい。ところで翔くん、家庭教師なんて嫌だって思ったでしょ?」



「そりゃあそうですよね。時間がつぶれますもん。」


母ちゃんが仕組んでくれたもの。

それは‘家庭教師’。



俺のあまりのテストの悪さにこうなったらしい…



「そうよね。でもテストではいい結果がでるようにしてあげるわ。」



初めてみた。
桜田さんの笑顔。



むちゃくちゃ可愛いと思った。



「その言葉……信じますよ?」



「えぇ。いいわよ。」



この時、俺の気持ちは動いたんだ。


……きっと。