「じゃあ、私は帰るね。明日はテスト前日だからみっちりやるよ!早く帰ってきてね?」



そんな顔で頼まれたら、めんどくせぇなんて言えない。

っていうか、言われなくても早く帰る。


「ん。分かってます。」


「ホントかな?」




だからその顔されたら………



「まだ……このままで……」


「何て言ってるのか聞こえない。」




俺はその先の言葉は飲み込んだ。

なんか言っちゃいけない気がした。





「まぁいいや。じゃあね。」





桜田さんは帰っていった。

その後ろ姿を見送って、俺は部屋に戻った。



まだ始まってないけど、テスト終了まであと5日。



「………どうしよ。」