「あ、櫻ちゃん。一緒にまた土方さんいじる?」

沖田さんが庭で斉藤さんと稽古をしながら楽しそうに微笑む。

「いいえ。今日は遠慮しておきますね。」

「へえーめずらしいなあ~」

「お二人とも剣術上手いんですね。」

私は2人の稽古を見ながらつぶやく。

「そうかなあ?」

すると斉藤さんが沖田さんの剣をはじく。

「総司。隙がありすぎだ。」

「あはは。負けちゃった。」

「お二人ともお茶をお持ちしますね?」

そう言うと斉藤さんが嬉しそうに微笑む。

「すまない。お前が淹れた茶はうまいから楽しみだ。」

「ふふっ。斉藤さんにそう言っていただけてうれしいです。」

そして二人分のお茶を淹れる。

持ってくと新八さんと平助君もいた。

「おっ!櫻ちゃん!俺にも頼むよ。」

「はい。わかりました新八さん。平助くんはどうする?」

「おっ!俺にも頼む!!」

「うん!」

そう言って私はまた厨房に戻ろうとする。

その瞬間体がふらりと傾く。

あれ・・・?

「櫻ちゃんっ!!」

沖田さんの声が聞こえた気がした。

だけど、私は意識を手放していた。