「お前、ここでなにをしている?」

「え?知らない。」

私はさらっと答える。

すると隣にいた男の人が笑い出す。

「あはははっ!こんな夜更けにここにいて知らないってっ!!」

未だに爆笑し続けている。

だけどその恰好に見覚えがあった。

浅黄色の羽織・・・

「新撰組?」

「いかにも。俺らは新撰組だ。」

笑っている人の隣にいる真面目そうな人が話し出す。

「・・・・うそでしょ?」

「なに一人でぶつぶついってやがるんだ。お前の名は?」

最初に話しかけてきた男の人が不機嫌気味に尋ねてくる。

「・・・・人にものを尋ねるならまず自分から話したら?」

「なっ!!」

「あはははっ!!確かにね。俺は新撰組隊隊長沖田総司だよ。」

「へ?」

私はあまりの出来事に目をぱちくりさせる。

「同じく、新選組三番隊対象の斎藤一だ。」

「はあ・・・」

私はなにも言えずにただ声を漏らす。

「はーら!土方さんも自己紹介しなよ!!」

沖田さんが土方さんをせかす。

「・・・・新撰組副長土方歳三だ。」

その顔はどこか不満気だ。

まるで、なんで自分から名乗らなきゃいけないんだと言わんばかりの態度だった。

「それで?君の名前は?」

沖田さんに聞かれてわれに返る。

「あ、私は更紗櫻です。」

「櫻って名前綺麗だね。」

「いえ、ありがとうございます・・・・」

私は少し恥ずかしくて頭をぺこりと下げる。

「それで?てめえはなんでこんなところにいるんだ?」

「わかりません!」

土方さんの質問に即答する。