私は静かに歩く。

「あれから、2年もたったんだ・・・」

そう思う反面、土方さんと最後に言葉を交わし日のことを昨日のように覚えている。

「ねえねえっ!!この華の刻読んだ?」

近くを通り過ぎる女の子たちがはしゃぎながら話している。

「うんっ!!もう何回も読んだよ!!特に最後のページに書いてある誰かに向けた手紙が切ないよねえ・・・」

「だけど、素敵なこいだよね!!」

「うんうんっ!!ああー私もこんな恋したあーい!!」

そういいながら女の子たちははしゃぎながらいなくなる。

私はそっと歩みを止める。

土方さん、私たちの物語は今も確かにここにあるよ。

「時を超えても愛してる・・・・」

私はそっと夕日が淡い色合いになり、桃色のような空に向かいつぶやく。

願わくば、あなたとまた会えますように。

私はそう思いながら歩き出す。










~上 fin~