黎明館 食堂
ジョエルの後に続いて食堂に戻れば、アーネスト以外の者達は何故か驚いた顔をしていた。
その様子にあかねが不思議に思っていると、すぐに結祈が掛け寄り、何もされていないかと聞かれたりした。
一方でジョエルがその場にいる全員に話があると告げれば、賑やかな雰囲気が一瞬にして変わり緊迫した空間に変わった。
それを見て、彼にはそれだけの影響力があるのだとあかねは理解する。
もしかしたら、この場にいる誰よりも上の立場にいるのではと思うほどに。
そんな事を思いながらドア付近に立ち尽くしていると、結祈に促され、大人しく指定された席に座る。
それを確認すると、ジョエルは静かに話し始めた。
「以前から話をしていたとは思うが、本日付けでこのチームに新たな仲間が増える」
「知ってるわよ。あかねちゃんでしょ」
「さっき会ったよ。可愛いよねー」
ギネヴィアと陸人が緊迫した空間を少しでも和まそうと口を挟むが、予想していた事だったのか、ジョエルはおかしげに口許を歪めて笑う。
「お前達は場の空気を読むのが上手いな」
「それはどうも。と言うことでー……用件だけさっさと言ってよ。アンタがいると居心地悪いんだよ」
柔らかい口調の中に棘のある言葉。
どうやらこの空間を作り上げているのは、ジョエルだけではなく陸人達が放つ彼に対する嫌悪感も含まれていると、あかねは察した。
彼は自分が思う以上に、他人に嫌われているようだった。
.

