一字一句聞き逃さずに、内容を頭に入れ気になったりした事は再度確認し、あかねは納得した上で誓約書に署名をした。
「確かに…………ん?」
どことなく満足げな表情で署名を書かれた誓約書を受け取ると、ジョエルは声を漏らす。
「何?」
「いや………気になってはいたが、やはり君の名前はひらがなであかねと書くのだな」
「え?……うん」
何か不備でもあったのかと思ったが予想だにしなかった問に間抜けた返事をする。
しかし当のジョエルは眼中にないのか、ただ誓約書を眺めていた。
「さて、これで君は正式にオルディネに所属した事になる」
いつの間に書類を纏めたジョエルは、あかねの目の前に立つ。
見上げればサングラスを掛けているものの、至近距離の所為かうっすらと紫の瞳が見え、その瞳はしっかりとあかねを捉えていた。
「やはり変わらないな」
呟かれた声色は何故か妙に優しかった。
そしてジョエルはそのままドアに向かって歩き出す。
「ジョエル……さん?」
「ジョエルでいい。君にさん付けは難しいだろうからな」
そう言ってジョエルはドアを開け、立ち尽くしているあかねを振り返った。
「改めてメンバーに紹介しなくてはな。勿論、私からな」
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