「だけどオルディネとか異能者とか、いきなり言われても意味分からないし、色々聞かないといけないとは思ってて……」
あの男の思惑に乗せられていたのは不本意だが、ここに来た理由を知らなければならない。
このまま何も知らないままでいたら、他人に翻弄され、自分では何も始められなくなるのではないかと、あかねは底知れぬ危機感を抱いていた。
「そうか……君は何も知らないんだったね」
「はい」
「そうだね。やはり、直接聞けばいいさ」
思考が一瞬止まる。
いまいち噛み合ってない会話に、アーネストを見上げる。
彼は何か思案しているようだったが、すぐに何か企んだような妖しい笑みを浮かべた。
「やっぱりそうだったか」
「…アーネストさん?」
「あかね嬢。三階へ上がってすぐ隣の扉を覚えているかな?」
唐突な彼の言葉に、若干戸惑いの色を見せながらも、三階の景色を思い出す。
じっくりと見ていたわけではないので定かではやいが、階段を上がって左側に変わった装飾が施された扉があったような気がした。
あやふやなのは変わりないが、全く分からないわけでは無かった為、あかねは一応頷く。
「その部屋にジョエルがいるから、着いたらノックしないで部屋に入るんだ」
「え……どうしてですか?」
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