「結祈!アーネストさん!」
遠くから名前を呼ばれる。
顔を僅かに上げれば、笑顔で駆け寄るあかねの姿があった。
「おや、どうしたんだい?」
「みんなで陸人さんが作ったお菓子を食べるらしいんで、二人も誘いに来ました!」
問えば至極嬉しそうに笑う少女。
それは太陽のようでとても眩しくて、まるで汚れを知らぬ子供のような輝きを持っている。
「陸人の手作りか。些か興味あるね。戴こうかな」
「結祈は?」
「はい。お言葉に甘えて戴こうかと思います」
「んじゃ決まりだね!」
結祈とアーネストの腕を掴んで、嬉しそうに引っ張っていくあかね。
急な事でアーネストは少し驚くものの、不思議と拒む気は起きない。
むしろこの短時間ながら、自然に彼女を受け入れている自分がいる。
もしかしたらこれが、彼女の魅力なのかも知れない。
そう思えば更に興味が湧いてくる。
「ほら、早く座らないと無くなっちゃうよ」
「ふふ。なら急がないとね」
「心配無用です。あかねの分は私が確保致しますので」
「私のは?」
「あなたは自分で確保して下さい」
「それは酷い」
そう言いながらも、アーネストは優雅に笑みを浮かべていた。
どこかで予感しているのだ。
未だ感じた事ない新しい何かを。
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