「はぁ」
「ようは一種の保険のようなものだ」
突然の説明にいまいち理解を示せないあかねに、ジョエルはそこで話を切る。
恐らくこれ以上話をしても今は理解を得難いだろう思ったのだろう。
「詳しい事はまた後程、話すとしよう。君には必要な事だ。が、まずは君を彼らに紹介しないとな」
彼らとは恐らくここに住んでいて、オルディネとやらに所属している異能者だろう。
既に彼らの元に向かっているジョエルの背中を見ながら、密かに溜め息をつく。
「あかね嬢。あまり気は進まないとは思うけど、私達も行こうか」
現れてしまった警戒心を察したのだろうか。
アーネストは優しい声色で、あかねに手を差し出す。
「……アーネストさんも異能者ですか?」
「そうだよ。軽蔑したかい?」
「そうですね」
はっきりと答えればアーネストは、一瞬息を呑む。
そんな様子を見て、あかねは敢えて手を取らずに数歩だけ歩いて振り返る。
「嘘です。とっても興味が湧きました」
いたずらに微笑むと、アーネストは目を丸くし唖然とする。
そしてすぐに困ったような笑みを浮かべた。
「まったく。大人をからかうものではないよ」
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