大徳高校 第三理科室
「しろちゃんってば心配し過ぎ。大丈夫だよ………うん。その日で平気?……分かった」
「はぁ……あかねっちってば、いつまで電話してるんスかね?」
待ちに待った昼休みが来るとあかねと信乃、瀬々は昼食を持って軽い足取りで第三理科室へと向かった。
既にそこには他クラスの友人である葉風がいて、彼の周りに集まって弁当に手を付けようとしたところで、あかねの携帯に着信が入ったのだった。
相手はどうやら親しい間柄のようだが、話し始めて早数分。
しかし一向に電話が切れる様子がなく、瀬々は不機嫌さを露わにしていた。
「誰だって電話ぐらいするでしょ。ほっときなよ」
「ぐぬぬ……しろちゃんとやら恐るべし。俺とあかねっちの仲を邪魔する大敵ッスね」
「はぁ……」
人に話を振っておきながら、人の話は聞かない瀬々。
信乃は半ば呆れながらも適当に相槌をうつ。
まるで恋人に相手にされない彼氏のようだが、そもそも瀬々とあかねは友人というだけで、それ以上でもそれ以下でもない。
「相手にする必要はない」
溜め息を零すと、既に昼食を食べている葉風が声をかけてきた。
「あいつの妄言など聞くに足らんからな」
臆することなく言ってのける葉風。
瀬々との付き合いが長い分、慣れているのだろうか。
「ちょっと葉風っち!妄言ってなんスか!?」
「黙れ。本当の事を言ったまでだろう。お前の下らん戯れ言は、妄言かつ鬱陶しい以外の何がある」
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