黎明館 食堂
「はぁ……」
「どうしたんだい?溜め息なんかついて」
「大した事じゃないよ。ただ……今頃みんな、どうしてるのかな〜って」
「あかね嬢は授業中。ジョエル達ならチーム戦を始めている頃合、或いは真っ只中じゃないかな」
何気ない呟きに、アーネストは本に目線を向けたまま答えた。
時計の針は丁度、正午を指している。
普段ならば、この時間帯の食堂は何かと賑やかである。
しかし今は泰牙とアーネストの二人だけであり、更には互いに自由な時間を過ごしていた所為か、泰牙の呟きがあるまで会話すらほとんど無く、殺風景と化していた。
「あかねちゃんはいいとして、チーム戦が気になるよ。内容が有利なものだったらいいんだけど」
「確かにそうであればいいね。けれど蚊帳の外である私達があれこれ思っても、仕方のないことさ」
「それはそうなんだけどね…」
頭では理解していても、感情がそれを拒んでいるのだろう。
煮え切らない泰牙の様子を見て、アーネストは苦笑を浮かべた。
――確かに泰牙の気持ちは
――分からなくもない。
――今回は良くも悪くも
――オルディネの未来が
――掛かっている。
――とは言え協会側が
――未だオルディネに対して
――関心を抱いているのなら
――チーム戦の内容は
――純粋な実力勝負に限るだろう。
――そうならば
――陸人や朔姫で勝率を固め
――ジョエルで確実に勝ち星を
――取りにいく算段だろう。
――生憎ソンブルには
――対抗しうる戦力があるとは
――残念ながら言い難い。
――余程のことがない限り
――オルディネの勝利は確定かな。
――ジョエルに当たった相手は
――とても憐れに思うけれど。
「心配しなくても、オルディネは勝つ。負けるなど、きっとジョエルが許さないだろうから」
「へぇ……信じてるんだね。彼の事」
「まさか。ただ古い馴染みであるから、他より彼の事が分かるだけさ」
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