ジョエルの言葉は嫌味でも皮肉でもない事実。
しかし陸人は不服そうな表情を隠すことはせず、盛大な溜め息を吐いた。
「めんどくさ。でも後がないのは事実かぁ………仕方ないや。今回は出てあげる。オルディネの為に。だからアンタも参加してよ」
「当然だ。オルディネの存続は私にとって最優先事項だからな」
陸人は一瞬目を丸くする。
恐らく鬱憤晴らし程度に悪態をついたのだろうが、意外にもジョエルが順応した為、驚いたのだろう。
遠巻きから見ていた昶でさえ、その様子に意外性を感じていたが、それだけオルディネの現状は深刻なものだと実感させられているようでもあった。
「じゃあ参加者はボクとジョエルは決定だね。あと一人は誰にすんの?」
「今回は純粋な異能の実力勝負。要は勝ち星重視となるわけだ。明らかに戦闘向きではない紅晶は外すとして…」
ジョエルは結祈にギネヴィア、朔姫と駿、そして昶に視線をさまよわせ、少しの間があってその視線が不意に交わる。
目があったその人物は、あからさまに驚きと焦りを見せ、動揺を隠せないまま目を逸らした。
それが決定打となるとは知らずに。
「クックックッ……後がないとは言え、勝ち星だけでは味気ない」
足を踏み入れて、ゆっくりとその人物に近付く。
目の前まで来てもなお、視線を逸らし続ける相手に、ジョエルは加虐心をくすぐられ更に口元を歪める。
「故に最後の一人は、君にするとしよう」
言い放った決定に、相手はようやく顔を上げた。
その瞳に、ジョエルがどう映ったのかは言うまでもない。
.

