協会 某室
「すげぇ…」
協会とは思っていた以上に、随分と大層なものであった。
プラティアの中でも、裕福層が多く住んでいる第二区の辺境。
周囲に比べ明らかに目立つ高い建物。
陸人達の会話から、そこが協会の本拠地だと理解するに、時間はそう有しなかった。
流れるように中へ入れば、どこかの一流ホテルのような絢爛豪華な造りと来賓のような歓迎を受け、その光景を初めて目の当たりにした昶は感嘆の声を漏らした。
「そういえば、昶くんは初めてよね」
「そっすね。姉ちゃんからちらっと聞いたことあるけど、こんなとこだったなんて…」
「別に大したもんじゃないでしょ。結局は御三家とかからせびった金と人材で作ったもんだし」
「聞こえが悪いわねぇ。もう少しマシな言い方ないの?」
「ないね」
諫めるように諭すギネヴィアだが、陸人はまるで聞く耳を持っていないようだった。
「陸人は協会を嫌悪してるのか?」
「さぁ…どうでしょうか。誰にでもあのような振る舞いですし」
二人の様子を見て疑問を口にした駿に対し、結祈はやや投げやりな答えを返している。
「ですが陸人さんが仰ってることは事実ですよ。協会の資金やその他諸々は、主に御三家を筆頭に提供していますから」
「そうだったのですか。協会も元々は分裂して争いが絶えなかった異能者達を統率するという目的の上で作られたと聞きましたけど、それなら納得です」
更には朔姫まで会話に入って何やら話し続けている。
――チームもそうだけど
――協会も割りと複雑そうだな。
――まぁどこにでも
――言えたことだけど。
「昶さん」
不意に名前を呼ばれ顔を上げれば、こちらの様子を伺いながら微笑む紅晶がいた。
驚くほど整い過ぎている顔立ちが目前にあり、恥ずかしさのあまり思わず後退る。
類い希なる美貌の持ち主とは、彼女を指すのだろうか。
容姿に大して関心のないあかねでさえ、素直に称賛するのだから間違ってはないはずだ。
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