「…うん」
肯定すると、紅晶は憂いの表情を浮かべる。
「確かに矢一は、あの男の駒となって罪に手を染めています。それは否定しません。ですが元を辿れば、私の為にしていたことなのです。彼の無事を願うことは間違いなのかも知れませんが」
「そんな事ないよ。私も矢一には無事でいて欲しいから」
「あかね様…」
「紅晶が望むなら、私は矢一を捜し見つけることを約束するわ。今はまだリーデルの事があるから、もう少し先になっちゃうけど…」
すぐには捜せない。
あかねは困ったように笑みを浮かべるが、紅晶はどこか嬉しそうに微笑んだ。
「はい……今はリーデルの事に専念して下さいませ。矢一の事は、それからでも構いません」
「ありがとう」
紅晶の意志を確認すると、あかねは朝食に手を付け始めた。
「あかねちゃーん」
「わわっ」
嘆くように名を呼びながら、不意に背後からあかねに抱き付く泰牙。
「ちょっ…」
「駿ってば、さっきからずっと俺の事無視してるんだ。酷いよね」
抗議する泰牙にあかねは、為す術もなくただ苦笑する。
その様子を見て、駿は深い溜め息を吐いた。
「酷いも何も、俺は事実を言っているのに、しつこいお前が悪い」
「確かに嘘は言ってないかも」
「ええー?あかねちゃん、駿の味方しちゃうの?」
「そんな事ないですよ。ただ写真の人は、葛城さんの好きな人かと思って」
「ブッ!!」
あかねの発言に、駿は飲んでいた味噌汁を勢い良く吹き出した。
「なにそれー!詳しく詳しく!」
明らかに動揺している駿に構わず、話の続きを強請る泰牙。
「前に好きな人がいるって言ってたんです。だからさっきの画像を見て、もしかしてこの人なのかなぁって」
「な…何を言って」
「あ、もしかして違いました?この前見せてくれた異能石も確か水色だったから、てっきりその人と交換したかと」
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