「ありがとう。矢一の事は紅晶と話してみて、また考えるよ」
「そうするといい。だが明日はチーム戦に、間もなくして全てを決める時が来る。それらが終わった後に話すことだ」
「うん」
今はオルディネのことだけを考える。
内でそう決意して、あかねは軽く頷いた。
「そういえばチーム戦って、見たりする事は出来ないの?」
「チーム所属者ならば見学は可能だ」
「じゃあ今回は無理かぁ」
残念と呟けば、ジョエルは軽く一瞥する。
「確かに君はまだ所属者でない故に、チーム戦に参加する事も見る事も出来ないが、案ずることはない」
「うん。分かってる。だからジョエル達なら大丈夫だって、私は信じてるよ」
はっきりと告げれば、ジョエルは何を思ったのか、どこか自信に満ちているあかねの顔を凝視し始める。
「ジョエル?どうかした?」
「…ただの思い過ごしだったか」
「え?」
「ヴィオレットで話した時、普段と少し様子が違って見えたのでな。あの時は時間が惜しく、聞くにも聞けなかったが、何か不安な事でもあるのではないかと思ったのだが…」
思いもしなかった自分を気遣う言葉に、あかねは目を丸くする。
確かにあの時、陸人から突き付けられた事実や言葉に動揺していた。
しかしそれを周囲に悟られないように、いつも通りにと平静を装っていた。
そう努めた甲斐もあってか、自ずと昶に打ち明けるまで誰かに問い詰められることも、気付かれることもなかったが、ジョエルには意味を為さなかったようだ。
「もしかして……あの時、妙に優しかったのってそのせい?」
「さて、どうだか。生憎、優しくした覚えはないのでな」
思わず問い掛けるが、教えてやるものかと言わんばかりに、あっさりとかわすジョエル。
はぐらかされたような気がしなくもないが、きっとそういう事なのだろう。
いつから気付いていたのかは分からないが、体調を気遣われた時点では、既に察していたのだろうと確信にも似たものを感じた。
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