話に一区切りが付くと、あかねは二人に連れられるように階段を登り三階まで上がり、一番奥にある一室に通された。
そこは実家の自室よりも広く、既に設置されている家具にはどれも装飾が施されてあり、どれをとっても高級な物に見えた。
一つある大きな窓からは、白い雲と青空が見えている。
「長年使われておりませんでしたが、掃除は定期的に行っておりました。何か不備があればお申し付け下さい」
「不備っていうか、この部屋って私が使っていいの?何だか申し訳ない気が……」
自分の持ってきた荷物が入っているであろうダンボール箱に引っ付きながら、あかねは辺りを見回す。
そんな姿を見て、アーネストは少し笑って口を開いた。
「あかね嬢。その姿はとても可愛らしいけど、そんなに畏まらないで。ここは貴女の為に用意した部屋なのだから」
「はぁ、そうなんですか……いや、でも」
自分のために用意されたと言われても、いまいち実感が湧かず、あかねはどこか間抜けた返事を返しながら未だ戸惑う。
「どうしても馴染めないようなら、後でジョエルに言えばいい。我々の話は聞かなくても、君の話なら聞いてくれるかも知れないからね」
「……そんなに気難しい人なんですか?その、ジョエルさんって」
聞き返せば、アーネストは曖昧な笑みを浮かべる。
「気難しいというよりは頑固かな。結祈はどう思う?」
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