「貴女が桜空あかね様ですか?」
「あ、はい……そうですけど」
自分の名前を言われ、また様付けに違和感を覚え、ぎこちなく返事を返す。
「遅くなって申し訳ありません。自分は結祈と言います」
「はぁ……」
丁寧な口調に更に違和感を覚え、曖昧な返事を返すが、結祈と名乗った少年は言葉を続ける。
「此度は、貴女様をお迎えに上がりました」
迎えと言う言葉を聞いて、あかねは声を上げる。
「あ……もしかして、旧寮のお迎えですか?」
「旧寮?ああ……そう伺っているのですね。はい、そうです」
「?」
何か引っかかるものを感じたが、特に聞く気にもなかったので流す事にした。
「良かったなあかね!迎えが思ってたより早く来て!変なヤツでもないし!」
陽気な声で言うと昶は靴を履き替え、荷物を持つ。
「んじゃオレ行くわ」
「ありがとね」
「おう!また明日な!」
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