桜空あかねの裏事情



全員の自己紹介が終わり、担任の話を聞いてHRを終えて昶の元に行く。
彼はバックから教科書を取り出して、早速机の中に入れていた。
どうやら初日から置き勉をするらしい。


「今日は早く終わったな」

「うん。そうだね」


軽くなったバックを片手に、教室を後にする昶。
あかねも行動を共にし、歩き出すと突然後ろから声を掛けられる。


「桜空さんだよね?」

「え……うん」


そこに立っていたのは、クラスメートである女子だった。
名前はまだ覚えられていないが、確か橋本だっただろうか。


「合ってて良かった。先生が寮の事で話があるから職員室に来てって」


そう言ってその女子は、これからよろしくね。と付け足して教室を出て行った。


「初日から呼び出しってのはどんなもんよ」

「あんま良い気分じゃない」

「だよな。ま、オレも行くから安心しなって」


昶はあかねの背中を軽く叩いて、再び歩き出した。


「あ……母さん達に電話しとくか」


携帯を取り出して開くと、メールが一通届いていた。
開けるとそれは兄からで、急用が出来たので悪いが帰る。と短い一言が書かれていた。
了解。とこちらも短い返事を返して携帯を閉じた。


「あかねー!早く行こうぜ」

「うん」


呼び声に応えるように、再び歩き出した。


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